SLE患者さんの中で寛解までの道のりで苦しんでいる方は大勢います。

なかなかステロイドが減らないんです。

さすがに心が折れます。
SLEになると体調や感情の起伏があったりして、何度も人生に嫌気がさすことがあります。
わたしも治療中精神症状がでたこともあり、モチベーションを維持するのにとても苦労しました。
でもSLEになり3年半が過ぎた今、寛解状態を維持しステロイドも中止できるところまできました。
今回はSLEの寛解まで心がけた5つのことについて紹介します。
この記事は
- SLEの治療中でまだ寛解状態になっていない方
- SLEと診断されて間もない方
- SLEの治療中で心が折れそうな方
におすすめです。
SLE寛解までの道のりは遠い
ステロイド飲み薬(減れば減るほど寛解に近づく)の減量経過を去年末からまとめてみた。
減量過程はゆっくりなくせに再発した瞬間一気に増加。ちなみにパルス→1250 mg/日換算。まだ寛解への道は遠いぜ、、ゲームオーバーやり直し感や#SLE #AIHA #ステロイド #入院 #肺炎 #胸膜炎 pic.twitter.com/kfNMSmfVxy— おばさん (@Obatttt) September 19, 2021
SLEの寛解に入る時期は症状の重さや合併症、既往の有無によって異なります。
わたしの場合ループス腎炎があり重症分類で、症状が落ち着きプレドニン5㎎になるまで1年半かかりました。
おそらくこれでも早い方なんだと思っています。
中には20年以上も寛解に入らないケースもあるようです。
悪い知らせと
良い知らせ?悪いのは、
簡単に言えば
抗がん剤だけじゃ治らねーよって事で良いのは、
移植したらSLEも寛解できるかもよって事22年、1度も寛解した事に無いのに?
免疫抑制剤使ってもプレドニン7ミリ以下になった事無いのに?
合併症だらけなのに?— 大幸… (@daizuu_cat) August 25, 2021
長く暗いトンネルを進んでいるみたいですよね。
わたしも当初不安がありましたが、試行錯誤しながらパターンをつかみ寛解まで到達しました。
なかなか寛解に行けないという方は参考にしてみてください。
SLE患者さんに実践してほしい5つのこと
体調不良になったら分析する
SLEの体調の波はジェットコースターのようです。
今日いいと思ったら、次の日関節痛なんてことも日常茶飯事。
でも体調不良になったらチャンスだと思ってください。
なにがきっかけで悪くなったのか、何をしたら少し症状がましになるのか。
分析するのです。
よくいうPDCAってやつですか。
でもP=PLAN(計画)はできないので、PをS=SYMPTOMS(症状)に変えましょう。
そうすると
このような順序で失敗と経験を繰り返していくと、症状も徐々に改善されていきます。
たとえば、わたしはステロイドの副作用で胃腸障害があったときです。
仕事のバス通勤で毎回吐き気。
↓
DO
食事が胃に入っていると余計気持ち悪くなるので、職場についてから朝食をとった。
↓
CHECK
胃もたれは軽くなった。
でも気持ちの問題からかバスに乗ると自動的に気分が悪くなる気がする。
↓
ACTION
人が少なく確実に座れる時間帯に変更。
気分を落ち着かせるためにGABAを乗車10分前に内服。
↓
気分よくバスに乗れるようになった。
このような感じで症状が出たら、自分が快適に過ごせるよう方法を探るのです。
おそらく最初はうまくいかないことが多いでしょう。
でもあきらめずにSDCAを繰り返していけば、薬に頼らなくとも症状と付き合っていくことができます。
「よくなる」と疑わない
SLEを寛解まで導くには、つねに「自分はよくなってこれをする」というビジョンをもっておくことです。
アメリカの研究では「未来について質問すると、身体の運動神経をつかさどる脳の部位が活発に動き始める」ということが分かっています。
つまり「未来に焦点を合わせると脳が活発に動き、その目標に向かって身体も作られていく」ということです。
わたしは元々目標やら、夢やらを持つのが大好きな人間です。
入院中から常に目標を立ててここまでやってきました。
その目標は「病気に関する目標」ではありません。
- 将来子供がいる
- 自分のビジネスを成功する
- 海外で仕事をする
病気はコントロールできていること前提で、目標をつくるのです。
発症当時はもう歩けないかもしれない、ステロイドは切れないと言われていました。
でも今当時では信じられないことがおきています。
- ステロイドは年内に中止予定。
- あこがれだった海外に移住し、ビジネスの準備中。
発症から3年半の間、わたしは一度も症状が後退すると微塵も思いませんでした。
たとえ悪くなったとしても「また這い上がってやる」という雑草根性のような気持ちがあります。
自分の強い意志というのは、時にものすごい回復力をもたらしてくれます。
「未来を見据える強い意志」は寛解へ向かう原動力となるのです。
自分を優先する
看護師をしていて感じたことですが、自己免疫疾患の方は責任感が強い傾向があると思っています。
責任感が強いことで、他の人を優先させ自分をかえりみないのです。
そしてその結果、病気になってしまうのです。
他の人を思うのであれば、まずは自分を大切にする!
この考えに思考をシフトさせましょう。
特にお子さんがいる方は、お子さんを優先させるのは当然ですよね。
でも自分をないがしろにしている母親を見ると、将来自分を犠牲にするようになってしまうのです。

わたしの母が身を粉にして働く姿を見てたので、わたしも自然と同じ生き方をしていました。
たとえば、
- 今日はつかれたから、夕飯を休んで総菜を買ってくる
- 体調がわるいから、子供を実家や夫にあずける
- 関節痛がひどいから、ヘルパーさんに頼む
- 今週頑張ったから、週末は外食する
自分が満たされていけば、余裕ができ他人にも目を配れるようになります。
寛解まで最短で行きたいのであれば、意識して自分を大切にする習慣を身につけましょう。
医者の言うことをよく聞く
経験上、寛解への近道は医師の治療方針に従うことです。
SLEは特に症状と薬のコントロールが難しい疾患です。
急性期の時に自分で薬の量を変えたり、医師の言うことに反したりすることはとても危険です。
恥ずかしながら、わたしの場合ステロイドを自己中断したことがあります。

精神障害もあって、思考がおかしくなっていたんですね。ちなみにステロイド自己中断はSLEあるあるらしいですよ。
先生がもう少し入院しててほしいといっても、早く退院したいとごねていました。
その結果どうなったか。
- ステロイド自己中断で体調不良を起こし、入院が長引く。
- 退院をせがんで一時外出を許可してもらったら、自分が歩けないことに気づく。
自分のさじ加減で行動しましたが、まだ身体は準備ができてなかったのです。
医師はSLEのエキスパートです。
何百、何千といろいろなケースの患者さんと日々対峙しているのです。

お恥ずかしいですが、看護師なのにそのことをすっかり忘れていました。
自分の身体は自分がよくわかっていると思いますが、疾患に関しては医師にお任せするのが一番!
BUT!
もしあなたと合わない医師だったら、担当を変えてもらうといいでしょう。
やっぱり長く付き合っていくのであれば、周波数のあう医師に診てもらうのがいいですからね。

わたしも合わないなと思ったら、医師を変えるまたは曜日を変えていますよ。
働いていても結構「医師を変えてほしい」っていう患者さんは珍しくありません。
看護師さんや事務の方に伝えてみてください。
誰かに頼る
SLEになると、今までできなかったことができないことがあります。
仕事や家事、細かい作業など、自分が情けないと思う場面が次から次へと出てくるのです。
でもそこで自分を責めることはありません。
誰かに潔く頼んでしまいましょう。
一人で体調不良と戦いながら頑張り続けるのと、誰かに頼って自分は休んで回復に集中するのと、
どちらが早く寛解に近づけるでしょうか。
やはり誰かに頼って回復に集中し時間をかけたほうが、寛解に少しでも早く近づけます。
わたしも一人で何でもやりたがるタイプです。
でもSLEになってから、全てこなすと容量オーバーだということがわかりました。
- 収入源は夫に任せる
- タイピングができない時は同僚に頼む
- メンタルが崩壊しそうなときは友人に助けを求める
最初はいい気はしませんでしたが、頼むようになってからは生活がうまく回るようになりました。
このように上手に人を頼れるようになると、寛解への道もそう遠くはないでしょう。
最短のSLE寛解を目指そう
SLEは今の時点では「完治」ではなく、「寛解」がゴール地点です。
まずは「寛解」にいち早くたどり着けるように、自分の生活を変えてみましょう。
紹介したことは寛解後も心がけてほしいことです。
生活の中で実践できるようになれば、SLEともうまく付き合っていけるでしょう。
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